方法とデータ説明
用語の定義と適用範囲(何を含み、何を含まないか)は「定義と範囲」のページにまとめています。主な項目は次のとおりです。
- 卒業年度とgrad_year・就職率・学部生と大学院生・学部単位と学科単位のデータ
- 業種分類とマッピング・主な就職先リスト・企業の採用数・初任給
- 推計年収・入社3年目・5年目・職位・キャリアラダー・3年以内離職率
- 専攻との関連度・企業側検証・値ラベル・データ不足
- 就職率(希望者ベース)・就職率(卒業者ベース)・就職内定率
- 人数非公開の就職先・職種名・配属決定時期・就職先からの業種構成推計・資格職の年収
- 男女別データの範囲・男女別年収推計・女性管理職比率・男女の賃金の差異・男性育休取得率
- 職種別賃金・役職者比率(昇進指標)・有報の平均年間給与・企業のモデル年収・待遇ランキングの作り方
- 有料媒体・口コミサイトの利用範囲・本フェーズの対象外
使っているデータと時点
- 大学の就職データ:明治大学・芝浦工業大学・日本大学が公表する就職データ(学部別・学科別の就職率、業種別就職状況、主な就職先、国家試験合格率など)。芝浦工業大学は2026年3月卒業[S2000][S2500]、日本大学も2026年3月卒業(令和7年度)が最新です[S5002][S5000]。以下の明治大学の記述は、特に断りがなければ明治大学の公表形式の説明です。最新は2025年度、すなわち2026年3月卒業です。「N年度」は「N+1年3月卒業」と読みます[S1001][S1000]。前年度・前々年度(2025年3月卒、2024年3月卒)は推移の参考にしています[S1005][S1009]。
- 企業の採用データ:25卒(2025年4月入社)の実績、26卒(2026年4月入社)の実績または内定、27卒(2027年4月入社)の募集予定を、企業の採用ページを優先して集めています。
- 全国統計:就職率は文部科学省・厚生労働省の調査[S0011]、賃金は賃金構造基本統計調査 令和7年[S0001]、離職状況は令和4年3月卒のもの[S0004](令和5年3月卒は2026年10月時点で未公表[S0006])。
3つの値のラベル
| ラベル | 意味 |
|---|---|
| 公表値 | 大学・省庁・企業が公表した数字をそのまま使ったもの |
| 推計値 | 公表値を使ってモデルで計算したもの。必ず幅で示します |
| 参考範囲 | 求人ページなどの数字を集め、目安として示すもの |
収入の推計モデル
- 賃金構造基本統計調査の大学卒・民営事業所のデータを使います[S0001]。
- 年齢階級(20〜24歳、25〜29歳、30〜34歳)の中央値(22歳、27歳、32歳)の間を直線で補間し、入社1年目・3年目・5年目をそれぞれ23歳・25歳・27歳として読み取ります。
- 年収は「所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額」です。
- 下限は企業規模100〜999人、上限は1,000人以上の値を使います。
- その学部・学科の業種別就職者割合で、業種ごとの賃金を加重平均します。業種の賃金がない場合は親業種(例:製造業の細分類→製造業)、それもなければ産業計を使います。
- 万円単位に丸め、下限・上限の幅で示します(推計)。
収入の3つの基準(basis)
収入の推計には、元になるデータの違いで3つの基準があります。サイトの収入欄に基準を表示しています。どれも推計で、幅(範囲)で示します。年齢は、一般の学部では上のモデルのとおりです。
| 基準 | 内容 | 該当する単位 |
|---|---|---|
| 公表業種(published_industry) | 大学が公表した業種別の就職者割合に、賃金統計の業種別賃金を当てはめる(上の6手順)[S0001][S0002] | 明治大学、日本大学の多くの学部・学科[S1001][S5002] |
| 就職先からの推計(employer_proxy) | 業種別の公表がない場合に、人数つきの主な就職先の業種を人数で重み付けして業種構成を作り、同じ方法で計算する。企業の業種が分かる就職先が人数の50%以上を占めるときだけ使う | 芝浦工業大学の大学全体のみ(上位30社、大学院生を含む人数)[S2000] |
| 職種別賃金(profession_wage) | 医師・歯科医師・薬剤師・獣医師の職種別賃金統計(令和6年賃金構造基本統計調査 第5表)[S6661] | 日本大学の医学部・歯学部・松戸歯学部・薬学部・獣医学科 |
職種別賃金は、6年制の課程なので卒業を24歳とし、1年目・3年目・5年目を25・27・29歳として、その年齢をはさむ2つの年齢階級の賃金で幅を作ります[S6661]。歯科医師は20〜24歳の値が統計にないため、歯学部・松戸歯学部の1年目は「データ不足」です[S6661]。この賃金は残業代を含む「きまって支給する現金給与額」を使うため、一般の推計より高めに出ます。就職先からの推計は、上位の大企業に偏り、学科別の推計はできません[S2500]。詳しくは就職先からの業種構成推計・資格職の年収をご覧ください。
就職率の3つの指標
大学が公表する就職率は分母が違うため、3つに分けて記録し、混ぜて比べません。
- 就職率(希望者ベース):就職者÷就職希望者。明治大学[S1000]と、日本大学の各学部が公表する値(法学部[S5010]など)です。→定義
- 就職率(卒業者ベース):日本大学の全学式の学科別就職率(大学院等への進学者などを分母から除く)[S5000][S5663]と、医・歯・松戸歯・薬学部の「就職者÷卒業者」です[S6658]。→定義
- 就職内定率:芝浦工業大学の指標で、就職者÷(就職者+就職未決定者)です[S2500]。大学院進学者などは分母に入らないため100%近くになります。→定義
企業名だけの就職先と企業の職種・配属
- 人数非公開の就職先(企業名のみ):芝浦工業大学の学科別「主な就職先」は各学科5社の企業名だけで人数がありません[S2500]。日本大学の一部学部も企業名だけの一覧です[S5019]。人数の合計、占有率チェック、専攻との関連度の指標B、業種構成の推計には使わず、人数を推測して埋めることもしません。→定義
- 企業の職種・配属(company_roles):企業ごとに、募集職種と配属の決まる時期を記録しています。時期は「入社前に確定(at_offer)」「研修後に決定(after_training)」「ローテーション後に決定(rotation)」「非公開(unknown)」の4区分です。件数は企業側の検証で説明しています。学科のカードに出る職種は企業の募集職種の例で、その学科の卒業生が就いた職種ではありません。→定義
専攻と仕事の対応度のルール
- 指標A:就職先のうち、専攻に関連づけた業種に入った人の割合。指標B:企業の募集職種が専攻を限定する企業(指定学科・理工系限定)への就職者の割合。
- 指標Bは、職種データのある企業が、その単位の主な就職先の人数の30%以上をカバーしている場合にだけ使います。現状この基準を満たすのは文学部(学部全体)だけで、Bは13.1%でした(推計)[S1003]。Aが6.5%で30%未満のため、Bの有無にかかわらず判定は「低」です[S1202]。それ以外の単位はAだけで判定しています。
- Aが60%以上なら「高」、30%未満なら「低」、その間は「中」です(Bを使う場合は、Aが60%以上かつBが50%以上で「高」、Aが30%未満またはBが20%未満で「低」)。
- 明治大学は業種別の就職状況しか公表していないため、判定は業種の対応づけ(指標A)が中心です。専攻が製造業や金融業の細分類(例:電機、銀行)に対応づけられていて、大学が製造業・金融業の合計でしか公表していない場合は、その合計(親業種)も関連業種として数えます。
- 結果は高・中・低の推計であり、仕事内容の保証ではありません。
企業側の検証
- 占比チェック:大学の就職者数÷その企業の当年の採用総数が50%を超えたら要確認、100%を超えたら誤りとして扱います。
- 給与チェック:モデルの初任給水準と、企業が公表する初任給(人数加重平均)の差が±20%を超えたら「乖離」とします。
- 職種チェック:学部の代表的な職種が、主な就職先の募集職種に含まれる割合が50%以上かを確認します。
男女別データの方法
- 出典:大学の男女別の進路は、大学ポートレート(私学版)の進路データ集(男/女/計)の2026年3月卒業の値です[S9001][S9141][S9281]。全国の男女別の賃金・勤続年数・役職者比率は賃金構造基本統計調査(男女別、令和7年)[S9420][S9423]、業種別の女性管理職比率は雇用均等基本調査(令和7年度)です[S9422]。企業の指標は、有価証券報告書の「従業員の状況」[S9840]と、女性の活躍推進企業データベース[S9701]の公表値です。
- 使うのは公表された男女別の値だけです。全体の値を男女に按分せず、男女別の業種構成が公表されていない単位は全体の業種構成で計算して、その旨をカードに表示します(男女別データの範囲、男女別年収推計)。
- 年度の規則(fiscal_year):企業の「年度」は年度の開始年で記録します。2024年度は2024年4月〜2025年3月で、2025年3月期の有報の値がこれにあたります。決算期が4月始まりでない会社は、対象期間の開始年です[S9841][S9560]。
- 中途採用の扱い:女性の活躍推進企業データベースの「採用者に占める女性の割合」は中途採用を含むため、「採用者に占める女性比率(中途含む)」と表示し、新卒に限った女性比率(企業や官庁が新卒採用者数を男女別に公表している場合)とは分けています[S9561][S9700][S9701]。
- 範囲:企業の値は原則としてその会社単体の値で、グループ全体ではありません。持株会社の代わりに中核の子会社の値を使った場合は、出典の注に書いています[S9843]。
待遇と昇進の方法
- 職種別の賃金曲線:賃金構造基本統計調査の職種別の表(令和7年、2025年6月分)から、33の職種について20〜24歳から35〜39歳の年収を計算しています[S0012]。この統計に学歴の区分はなく、学歴計(高校卒などを含む)の値です。年齢階級ごとに別の人を同じ時点で比べた横断面の値で、同じ人の昇給ではありません。そのため大学卒の入社3年目・5年目の推計年収とは別のものとして扱います(職種別賃金)。
- 昇進指標:業種ごとの係長級以上・課長級以上の役職者比率は、賃金構造基本統計調査の役職別の表から、大学卒の年齢階級別に計算しました[S0100][S0101][S0104][S0105]。昇進した年齢そのものの公的統計はなく、人事院の役職別平均年齢で補っています[S0109](役職者比率(昇進指標))。
- 有報の平均年間給与は順位を付けません:対象が業種ごとに4〜45社の大手中心の標本で、全従業員の平均のため、中央値と最小〜最大だけを示します(有報の平均年間給与)。
- 企業のモデル年収は平均ではありません:企業が採用ページなどで示す例で、実際の平均や本人の年収を保証しません。経験者採用の例は新卒のモデルと分けています(企業のモデル年収)。
- 順位は指標ごとに別で、総合点は作っていません(待遇ランキングの作り方)。
理系学生の進路ガイドの方法
- 道の選び方:A(情報系)・B(機械・電気電子)・C(建築・土木)は、明治大学と日本大学で学科ごとの業種別の就職者数、主な就職先の人数、企業の職種・配属、男女別の指標がそろう分野を選びました。Dは資格職(薬学)と、メーカーの研究・品質(化学・生命)を並べています。芝浦工業大学は学科別の業種構成を公表していないため、大学院進学率と主な就職先の参考にとどめています[S2000][S2500]。
- 性別による誘導をしません:男子にも女子にも同じ道を示し、男女別のデータは参考情報として添えるだけです。どちらかの性別に向く・向かないという判断は書いていません。
- 限界:推計年収は大学卒の賃金統計を学科の業種構成に当てはめた目安です。昇進指標は断面の割合、職種別の年収は学歴計です。理系は大学院進学が多く、学部卒の就職先は一部の学科・年度の値です。資格試験(薬剤師以外)の合格率などは集めておらず、データ不足です(理系学生の進路ガイド)。
抽出チェックの結果
明治大学(第1期):大学・企業・業種マトリクスなどの表から20%(551行)を抽出し、保存した原資料と照合して551件すべて一致しました。賃金統計の44行の抽出でも44件すべて一致しています。詳細は docs/superpowers/reviews/2026-10-phase1-spotcheck.md(GitHub リポジトリ内)に記録しています。
芝浦工業大学・日本大学と追加の企業データ(第2・3期):芝浦工業大学・日本大学の進路データ、就職先、企業データ、職種・配属データから20%(815行)を抽出し、5人の確認者が保存した原資料と照合しました。進路データ(469行)と就職先(199行)はすべて一致しました。企業データ・職種データ(147行)では8件の誤りが見つかり、修正しました。誤りの多かった表は全行を確認し直し、さらに5件を修正しています。詳細は docs/superpowers/reviews/2026-10-phase23-spotcheck.md に記録しています。
男女別データ、待遇と昇進のデータ:男女別の進路・賃金・役職者比率・企業の性別指標と、職種別賃金・昇進指標・企業のモデル年収などから743行を抽出し、保存した原資料と照合しました。誤りは4件で、いずれも修正しています。そのうち1件は、役職者比率の「職長級」と「係長級」の取り違えを、該当する行すべてで直した体系的な修正です。詳細は docs/superpowers/reviews/2026-10-gender-pay-spotcheck.md に記録しています。
限界
- 同一コーホートの追跡データはありません。 入社3年・5年後の収入や職位は、全国統計と企業の公開情報から推計したもので、各大学の卒業生を追跡した結果ではありません。
- 学科別データは一部のみです。 学部単位でしか公表されていない場合は学部の数字を表示し、学科の数字には見せません。
- 就職先一覧は上位N社のみです。 全員の就職先ではありません。
- 一部の企業の数字はマイナビ掲載値です。 企業が登録した値で、有価証券報告書から直接読んだ値ではありません。
- キャリアラダーは「典型的な道筋」です。 研修制度や例示モデルを基にしており、昇進の保証ではありません。
- アーカイブへのリンクはリポジトリへのアクセス権が必要です。 非公開リポジトリのため、一般の方は出典の元URLを参照してください。
- 男女別データは1年分です。 大学の男女別の進路は2026年3月卒業の値だけで、年ごとの変動は分かりません。就職先企業の男女別の人数も公表されていません(男女別データの範囲)。
- 待遇の数字は傾向であり、保証ではありません。 職種別賃金は学歴計の断面、有報の平均年間給与は大手中心の標本、企業のモデル年収は企業が示す例です。
- Web検索の制約により、一部の企業・キャリアラダーは「データ不足」のままです。